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花粉、来年は大暴れ? 近畿・東海地方は要注 asahi 2000/12/27

花粉症をひき起こすスギ花粉が来年は、ほぼ全国的にたくさん飛散しそうだ。
ヒノキ花粉と合わせて近畿、東海地方は平年の2倍から3倍近くにのぼり、「非常に多い」という予測を日本気象協会がまとめた。関東も1.1〜1.5倍の「やや多い」で、東北や北信越は1.5〜2倍の「多い」。
東京、大阪では2月10日すぎからスギ花粉が飛び始める見込みという。
協会によると、ことしの夏は全国的に日照時間が長く、気温も高めで、スギの雄花の育ちが良くなった。秋に各地で雄花のつき具合を調べたデータをもとに、過去の飛散量との関係などから予測した。大都市のなかで最も多い名古屋は、1平方センチ当たり1万2000個から1万6000個に達する可能性があり、平年比で2〜2.7倍、ことしと比べれば4倍から6倍にあたる。東京や大阪は3000〜4000個、高松は5000〜7000個など。近畿、東海の各県をはじめ、秋田県、香川県、島根県、熊本県などが平年比200%以上の「非常に多い」と予想されている。また、協会は2年ぶりに「スギ花粉前線」を改めた。最近10年ほどの花粉が飛び始める日の平均を示す。
本州には2月10日前後に近づく見込み。「飛散時期は花粉量の多い年には早まり、少ない年には遅くなる傾向がある」という。

赤ちゃん産むなら「葉酸」を!       yomiuri 2000/12/21

下半身まひなどにつながる「二分脊椎(せきつい)」や無脳症などの神経管の先天性疾患を防止するため、厚生省は、妊娠可能な全女性や妊娠を望む女性に、ビタミンBの一種でホウレン草などの緑黄色野菜や豆などに多く含まれる
「葉酸」を、食品や栄養補助剤で一日当たり0.4mg摂取するよう、
年内にも呼びかける方針を決めた。
脊椎の一部が左右に分かれる二分脊椎の出生率は、日本の場合、出生一万人に対し三人程度で欧州に比べひとけた少ない。しかし、日本母性保護産婦人科医会の調査で、過去二十七年間でこの出生率が約三倍に増えていることが分かっている。二分脊椎や無脳症は、妊娠のごく初期に、脳や神経になる管状の組織が正常に発達しないために起きる「神経管欠損症」という病気の一種。原因のひとつとして、細胞分裂や成熟に不可欠な葉酸の欠乏との関係が指摘されている。英国では、一日四ミリ・グラムの葉酸の投与で、神経管欠損症の72%は予防可能であるとの報告がある。米国では九二年、妊娠可能な全女性に対し、一日〇・四ミリ・グラムの葉酸を、妊娠の四週間前から、妊娠十二週まで摂取することを推奨。葉酸を添加した穀物も市販されている。これらを参考に、厚生省は、妊娠可能な女性すべてに対し、ホウレン草や豆など葉酸を多く含む食品などで、一日当たり〇・四ミリ・グラムの葉酸を摂取するよう呼びかけることにした。特に妊娠を計画している女性には、妊娠の一か月前から妊娠三か月までの期間、葉酸を栄養補助剤として補給することも検討している。また、第一子が神経管欠損症の場合、第二子以降の妊娠を計画している女性には医師の管理のもとで葉酸摂取を指導する方針だ。同省は近く、検討会の報告書を公表し、都道府県などを通じて国民に呼びかける。

人の寿命2倍に!?ハエ実験で発見 yomiuri 2000/12/15

たった一つの遺伝子の突然変異により、寿命が二倍近くに延びることを、
米コネティカット大の研究者たちが見つけ出した。
ハエの変異種の研究で、この遺伝子の変異があってもハエの生体機能や生殖能力には異常はなかったという。ハエと人間の全遺伝情報は八割が共通で、この突然変異の体内での役割が解明できれば、人の寿命を延ばせる可能性もある。この突然変異の名称は「Indy」。
「私はまだ死んでない」(I'm not dead yet.)の頭文字で、同大のステファン・ヘルファンド博士たちがIndyを持つハエを飼育した結果、平均三十七日間の寿命が六十九〜七十一日間へと延びた。

卵子提供の「近親者の範囲」限定せず nikkei 2000/12/13

 厚生省の「生殖補助医療技術に関する専門委員会」は12日、夫婦以外の第三者からの卵子の提供を受けた体外受精を認めることなどを内容とした報告書案をまとめた。
第三者から提供を受けられない場合に限定して特例的に近親者からの提供も認める。
報告書案は22日の厚生科学審議会先端医療技術評価部会に提出、了承されれば年内に決定する。 委員会はこれまでの議論で、精子や卵子、受精卵などの提供は匿名の第三者によることを原則とし、提供がない場合に限り近親者からの提供を認めることで大筋合意していた。
12日は最後まで残された「近親者」の定義をめぐり議論が交わされ、最終的に「範囲を限定しない」ことで決着した。このため匿名の第三者からの提供が不可能な場合、「ごく限られたケースにおいて(兄弟や友人などからの提供が)あり得る」(厚生省)ことになった。このほか報告書案には、代理母や営利目的の生殖細胞のあっせんなどは禁止、「罰則を設けるべきだ」とした。

ダイオキシン摂取量が微増 99年度、健康基準下回る。 厚生省 
2000/11/29 nikkei

日本人がふつうの食生活をした場合、1日に摂取するダイオキシン類の量は、
体重1kg当たり平均2.25ピコグラムと推定され、前年の同2.00ピコグラム
より若干増加したことが、厚生省の1999年度の実態調査で分った。
一生摂取し続けても健康に影響しない「耐用1日摂取量」として政府が定めた
同4ピコグラムより下回っており、同省は食品衛生上、問題はないとしている
が、「摂取量を増やさない為にはバランスの良い食生活が重要だ。」
としている。
調査では、全国で16地点を選び、米、緑黄色野菜、飲料水など14群の食品類を
地元小売店などから購入、分析した。対象地点は明らかにしていない。

PPA配合かぜ薬、高血圧や心臓病の人は服用禁止 厚生省

2000/11/21 asahi

市販かぜ薬の成分として広く使われている塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)に脳出血を起こす副作用があるとして米食品医薬品局(FDA)が、PPAを含む薬の販売中止を製薬会社に指示した問題で、厚生省は20日、国内では販売中止の措置をとらず、服用してはいけない対象を高血圧や心臓病、脳出血を起こしたことがある人らに広げることで対応することに決めた。
また業界団体などに対し、統一の注意文書をつくって薬局・薬店に張り出したり、購入者に一人ひとり手渡したりするよう指示した。
PPAは「コルゲンコーワ」「コンタック」「ストナ」「ベンザ」などシリーズ製品となっているかぜ薬、鼻炎薬、せき止め薬に広く使われている。米国より緩い措置になったことについて厚生省は、
(1)1日最大服用量は米国の3分の2
(2)FDA決定のもとになった疫学調査で副作用が有意だったのは、「食欲抑制剤」に使った患者だけだが、日本では効能として承認されていない――としている。
一方で、服用量が多い場合に副作用の危険性があるとして、用法用量の順守を徹底し、服用しても良い患者の範囲を限定することにした。薬の添付文書にも、高血圧や心臓病の人らに対して、服用を禁じるよう改める

日本酒・ワインで老化防止?「知能指数高傾向」と長寿研

2000/11/21 asahi

脳の老化防止には日本酒かワインが効果的?
国立療養所中部病院長寿医療研究センターが中高年を対象に行った調査で、
日本酒やワインを飲む習慣がある人の方が、これらの酒を飲まない人よりも脳の働きを示す知能指数が高い傾向にあるという結果が出た。
中高年の知能指数の低下は、老化に伴って脳の働きが悪くなった表れと考えられる。これらの酒を適度にたしなむ生活習慣が、良い影響を与えている可能性もあるという。調査は、無作為抽出した愛知県内の40歳から79歳までの男女約2000人が対象で、食事などの生活習慣を調べ、EIQと呼ばれる知能指数を測った。職業や所得水準、教育歴などの差が結果に影響を与えないように、統計的な処理で修正を加えた。EIQは子供の知能の発達を測定するIQとは違い、一般の成人が対象。面接形式で知識、注意力、瞬時の判断力、類推力を測り、年代ごとに100を平均として「偏差値」のように点数化する。EIQの低下は直接、痴ほうにつながるわけではないが、脳の老化の表れと考えられるという。飲んでいる酒の種類ごとに、1日に飲む酒の量とEIQの関係を調べたところ、男女ともに、日本酒とワインでは酒量が増えるほどEIQが高くなる傾向がみられた。しかし、ウイスキーなどのアルコール度の高い酒や、ビール、焼酎(しょうちゅう)では酒量とEIQに関連はみられなかった。飲む人と飲まない人にグループ分けしてEIQの平均を比べても、日本酒で男女とも2ポイント以上、ワインでは男性で3.3ポイント、女性で2.5ポイントの差があった。ただし、ワインや日本酒でも、日本酒に換算して1日3合以上飲む人を取り出すと、EIQは逆に低くなったといい、「飲み過ぎは禁物」らしい。

虫歯予防のために水道水へのフッ素添加を容認 厚生省

2000/11/18 asahi

フッ素(フッ化物)が歯の表面を強くして虫歯を予防する効果があるとして厚生省は17日までに、水道水へのフッ素添加を容認する方針を決め、関係自治体などに伝えた。議会の議決など地元住民の合意を条件とし、水道水質基準の範囲内での添加に限定する。厚生省はフッ素による予防効果を認めてきたが、水道水への添加については、高濃度のフッ素による「斑状歯(はんじょうし)訴訟」などを受け、慎重な態度をとってきた。歯科界でも長く安全性をめぐって意見が戦わされてきたなか、「容認」に転じたことは、虫歯予防や安全性などを巡って議論が起こりそうだ。
フッ素は自然界に存在し、海水やお茶、魚などにも含まれる。米国では1945年から虫歯予防のため水道に添加されるなど、1ppmほどでは虫歯予防に効くとされる。米国市民の6割がフッ素入りの水道水を飲むなど38カ国で添加されているという。日本でも、日本歯科医学会は昨年末「虫歯予防のためにフッ素利用を推奨する」との見解をまとめた。世界保健機関(WHO)は69年、水道水へのフッ素添加などフッ素利用の推進を決議し、日本政府も賛同している。日本ではフッ素を歯の表面に塗ったり、添加した水でうがいしたりする予防法が勧められており、虫歯になりやすい子に限って保険適用もされている。歯磨き粉の8割にもフッ素が入っている。一方で2ppm以上を長期間飲んだ場合は歯の表面にしみができる斑状歯、8ppm以上で骨に異常がでる骨硬化症がみられるという。
歯科医師の中には根強い有害論を唱える人もいる。発がん性の疑いなど健康への影響を心配する市民団体の動きもある。これを受けて厚生省は、一律供給する水道水について態度表明を見送っていた。現在、フッ素の水質基準は0.8ppm(1リットル中、0.8ミリグラム)で、WHO指針より低く抑えられている。

ピロリ菌除去に保険、胃や十二指腸潰瘍に適用 2000/10/27 yomiuri

 厚相の諮問機関である中央社会保険医療協議会は二十七日、
胃かいようなどの原因となる細菌「ヘリコバクター・ピロリ」を薬剤で除去する治療法を、十一月一日から保険適用すると決めた。
約百二十万人もいるとされる胃や十二指腸のかいようで悩む患者には朗報で、胃がんのリスクを減らす効果も期待される。
対象になるのは胃かいようと十二指腸かいようの患者。この日の総会で、ピロリ菌に感染しているかどうかを調べる呼気や培養検査など五種類の検査法が保険適用されることが決まり、同時に、除菌治療も保険が認められることになった。
薬剤は三剤併用で除菌治療は七日間実施する。
 従来の保険が適用されない除菌治療は検査・投薬などであわせて一〜二万円程度の費用がかかっていた。
ピロリ菌は胃かいようや十二指腸かいようの原因とされているほか、胃がんとの関連も指摘されている。
 国内のピロリ菌感染者は約六千万人とも言われ、その2%が胃かいようなどの消化性かいようを患っているとされる。

骨髄細胞からの皮膚再生・移植に成功 2000/10/24 nikkei

 重傷のやけど患者向けに本人の骨髄からとった細胞を元に皮膚を新しく作り出して移植するという、世界初の治療に奈良県立医科大学が成功した。
骨髄細胞は血管や骨など人体の様々な組織へと育つ「万能細胞」としての性質が最近分かってきたが、治療に使える皮膚組織を作ったのは初めて。
他人からの移植なしに病気の臓器や組織を健康なものに再生する次世代医療の先駆けとなる成果だ。

 同医大の吉川隆章講師らは今夏、全身の60%と50%にやけどをした成人の患者2人の骨盤から少量の骨髄細胞を採取。条件を調節しながら約2週間培養することで血管や線維組織、脂肪細胞など皮膚を構成する細胞だけを増やし縦6センチ横8センチのスポンジ状のシートを患者1人当たり4枚ずつ作ることに成功した。

インフルエンザ予防接種、高齢者は1回で十分な効果
asahi 2000/10/19

 昨冬まで一律「2回」と決めていたインフルエンザ予防接種を、今冬から65歳以上の高齢者については「1回でいい」と医療機関に勧める方針を、厚生省の公衆衛生審議会感染症部会が18日、決めた。
 同省研究班が行った高齢者2000人を対象にした調査で、1回でも十分効果があるとの結論を受けた。
同省は、1回5000円程度かかる高齢者の予防接種費用を一部公費で負担するため予防接種法の改正案を準備しており、接種が1回になれば自己負担の軽減や、将来の公費節減につながりそうだ。
ワクチン接種の用法は、薬事法に基づく基準で全年齢で一律「2回」と決められていたが、すでに今年7月、13歳以上は「1回または2回」を選べるように変更した。
 専門家の間では成人も「1回で十分」とする意見が強く、米国などでも1回であることから、厚生省は、13―64歳の予防接種でも、高齢者と同様に1回を勧めることができるか、研究を進める。

食塩がピロリ菌による胃炎を加速、胃がん多発の要因か
asahi 2000/10/05

 胃がんの原因と疑われる細菌ピロリ菌が起こす胃の粘膜の炎症は、塩分をたくさんとるとひどくなることを、国立がんセンター中央病院の斉藤大三・内視鏡部長らが動物実験で突き止めた。
さらに悪化して胃がんになっていくと考えられ、日本人に胃がんが多い要因は塩分とピロリ菌の「相互作用」の可能性があるという。横浜市で開かれている日本癌学会で報告した。ピロリ菌で胃がんになることが知られている「スナネズミ」で実験した。
えさの重さの5%の食塩をえさに加えた「高食塩」▽わざとピロリ菌に感染させた「ピロリ菌感染」▽「食塩とピロリ菌」――の各グループに分けてそれぞれ10匹前後を飼育した。6週間後に胃の粘膜を顕微鏡で詳しく調べた。ひどい炎症が起きていたのはピロリ菌だけでは7%だったのに対し、食塩とピロリ菌のグループでは40%。高食塩のグループには、ひどい炎症はなかった。

 国際がん研究機関は1994年、この菌を確実な発がん因子として認めた。日本人の感染者は6000万人と推定される。また、塩分をとる量、胃がん発生率も国際的に高い水準にある。斉藤部長は「胃がん発生の温床となる胃の粘膜の炎症は、食塩とピロリ菌の相互作用で早い段階でみられることが確認できた」と話している。


食道がん危険、遺伝子で4倍差     yomiuri 2000/10/05

喫煙や飲酒により食道がんになる危険性が、個人の遺伝子のわずかな違いによって2〜4倍も開きがあることを、愛知県がんセンターの組本博司・中央実験部研究員らが突き止め、日本癌学会で発表した。同じように、たばこを吸い、酒を飲んでも、がんになりやすい人となりにくい人を、遺伝子の違いで事前に判別できることになる。その結果を参考に生活を改善すれば、がんの予防にもつながるという。研究グループは、がん細胞の増殖に関与するとみられるL―mycという遺伝子に注目。
この遺伝子の本体であるDNAの文字にあたる塩基配列一つの違いによって、
この遺伝子を三タイプに分けて調べた。

 健康人二百四十一人ではSS型が約20%、LS型が55%、LL型が25%。食道がん患者百三十七人ではSS型27%、LS型52%、LL型21%で、大きな差はなかった。しかし、喫煙した場合と喫煙しない場合の食道がん患者の割合を比較すると、全員の平均では発がん率の上昇は五・一倍だったが、SS型の人は七・七倍、LS型は六・八倍にのぼった。一方、LL型の人は約一・八倍にとどまった。

 また週四回、二合(三百六十ミリ・リットル)以上の酒を飲む人の発がん率の上昇は平均で十四倍だが、SS型は二十・〇倍、LS型は十八・五倍に達した。LL型は七・四倍しかなかった。

 この遺伝子の違いで飲酒や喫煙の影響に差が出る理由は不明だが、同センターの浜嶋信之・疫学予防部室長は、「この一年で遺伝子の型によるがんになりやすさの研究が急激に進んだ。将来は遺伝子型によって、生活習慣や検診の頻度を変えるなど予防政策に役立つだろう」と話している。

がん細胞の「顔つき」特定、予防に役立つ可能性 asahi 2000/10/02

がん細胞と正常細胞で、細胞を形づくるたんぱく質の一部分の構造が違い、それががん特有の「顔つき」になっていることを兵庫県の民間研究所が見つけた。
胃や大腸など多くのがんに共通するとみられ、幅広いがんに効くワクチンや治療法につながる可能性があるという。
発表するのは萩原健康科学研究所(兵庫県加西市)の萩原秀昭所長、青塚康幸主任研究員らで、研究について日米欧など約50カ国で特許を申請している。

 萩原さんは1982年、がん患者のリンパ球から、がん細胞だけを攻撃するヒト・モノクローナル抗体の免疫グロブリンGを開発。まず、脳腫よう治療薬として、臨床試験などにとりくんできた。
米国の検査会社の協力も得た最近の研究で、モノクローナル抗体が攻撃の標的(抗原)にしているのは、ビメンチンという、網目状に広がって細胞の形を保っている骨格たんぱく質の一部とわかった。

 正常細胞との「顔つき」の違いを見分けた抗体は、とげの部分にくっついて、がん細胞の働きを抑えるらしい。
がん遺伝子などの働きで、正常細胞のビメンチンの立体構造が変化すると萩原さんらはみている。抗体の効き方から、脳腫ようだけでなく、胃や大腸、肺、乳、子宮、卵巣、前立せんのがんなどにも関連しているようだという。

 萩原さんは「がん抗原をあらかじめ注射してリンパ球に記憶させておけば、がん細胞ができた時にすぐに抗体を作って攻撃でき、予防ワクチンになる」と話している。

糖尿病になりやすい遺伝子発見 日米欧の研究グループ asahi 2000/09/27

糖尿病のなりやすさに関係する遺伝子を日米欧の研究グループが発見し、米科学誌ネイチャー・ジェネティクス10月号に発表する。
糖尿病の原因は、食べすぎなど生活習慣といくつかの遺伝子が関連するとみられていたが、日本人患者の9割以上を占める「2型糖尿病」について、主要な役割を果たす遺伝子が見つかったのは初めてだ。

 発表するのは、米シカゴ大学に留学中に研究チームにいた堀川幸男医師と織田直久医師たち。

 糖尿病には、おもに若い時期に発病する1型と、中年以降の人がかかりやすい2型がある。日本人患者の大部分は2型で、数百万人にのぼるとみられる。

 堀川さんらはメキシコ系アメリカ人の患者を対象に、DNAを構成する部品である塩基について、健康な人との違いを調べた。その結果、CAPN10という遺伝子の塩基のわずかな違いが、この遺伝子の働きに影響し、糖尿病に結びつくことをつきとめた。

 この遺伝子の塩基が、ある並び方をしている場合、糖尿病になりやすくなるという。メキシコ系アメリカ人では、病気になりやすいタイプと、なりにくいタイプを比べると、約3倍の開きがあった。ドイツ人では約5倍、フィンランド人では約3倍。日本人については調査中という。

 関連する遺伝子の1つが見つかったことで、発病のずっと前から糖尿病のなりやすさを調べて、食事指導などをする「オーダーメード方式」の生活習慣病予防が実現する可能性が出てきた。新しい治療薬の開発にも道を開きそそうだ。

がん死の危険半減、毎日1時間歩こう yomiuri 2000/09/27

一日に一時間程度歩く人は、ほとんど運動しない人よりも、がんで死亡する危険性が半分以下という調査結果を東京ガス健康開発センターの沢田亨・主幹研究員らがまとめ、来月四日から横浜市で開かれる日本癌(がん)学会で発表する。

 沢田研究員らは、一分間に体内に取り込むことができる酸素の最大量を示す「有酸素能力」が、がんにかかる危険性にも関係するとみて、健康診断を受診した同社社員九千三十九人を有酸素能力の値で、低い順に一〜四群に分け、がんによる死亡者数の違いを約十六年間、追跡調査。それをもとに、肥満や喫煙、血圧の影響を考慮し、がん死亡の危険性を計算した。

 この結果、有酸素能力が最も低い一群は、最高の四群に比べ、がんで死亡する危険性が約二・四倍も高かった。二群に比べても約一・三倍、三群とは約二・三倍違った。

 喫煙との関係をみると、一群に属し、一日二十本以上たばこを吸う人は、四群でたばこを吸わない人に比べ、危険性が約五・一倍あった。

 有酸素能力は、日常の運動習慣を反映するとされ、一群は「ほとんど運動しない」に相当。二群は「一日二十分程度の歩行」、三群は「一日一時間の歩行」、四群は「一日一時間の歩行と週末の運動」に当たるという。

 沢田研究員は、「運動で免疫機能などが高まることで、がん予防になっていると考えられる」と話している。

老人保健施設入所者の85%が痴ほう・厚生省 nikkei 2000/09/07

寝たきりやそれに近い高齢者に対し、機能訓練やリハビリを中心とした医療・介護を行う
「老人保健施設」の入所者のうち、痴ほう症状がある人は前年より
1.8ポイント上昇し、
85.7%に上ることが7日、厚生省の調査で分かった。痴ほうで寝たきりの人も全体の39.3%を占め、
入所者の重症化が進んだ。同省は「老人保健施設は痴ほう高齢者の受け入れ態勢を強化しており、
ほかの施設や病院からの移行が進んでいるため」と分析している。

 調査は昨年10月時点で、全国2420施設を対象に実施した。老人保健施設の入所者は約22万3000人(前年比約13.0%増)。このうち痴ほう症状があるのは約19万1000人(同15.3%増)だった。入所者の重症化が進むのに伴い、在所期間は長引く傾向にある。同施設は3カ月をめどに家庭復帰を目指しているが、退所者の平均在所期間は半年で、在所1年以上の人も4.5%いた。退所後の行き先は「家庭」が41.4%と最も多かったが、前年と比べると5.4ポイント減少した。


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